Meteoros

フィクションです

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約100日周期で、ものを書きたくなるらしい。過去の下書きを振り返って気が付いた。感染症の拡大防止策としての引きこもり生活の結果、私は起きている間中考え事をするようになってしまった。自分のこと、家族のこと、将来のこと、数学や物理や読んだ本のこと。誰も止めてくれないので思うがままに任せておくと、脳みそが渦を巻いてくるような感覚がする。一体どのくらいの角運動量を持って?とにかく、考え事の荷下ろしをしなければ大学院生としての研究活動にさえ支障が出てよろしくない。

今日はGW明け初日ということで、真面目に磁気工学の授業の課題に取り組んだ。教授の出題は授業の内容を逸脱しており戸惑ったが、こういう時の常として講義の参考として挙げられている教科書のpdfを探したらそこに全く同じ出題があった。私が教授の立場だったとしても、専門の授業でわざわざオリジナルの課題を作ろうとは思わないだろう。

今日の夜と明日は論文の執筆と集合・位相入門の勉強に充てる。論文は英語の直しを進めているが、かなり退屈な作業だ。研究の楽しさの大部分は実験の予想と結果を突き合わせてあーだこーだと議論することにあると個人的には思っている。明らかになったことを纏める論文執筆のような作業は、社会への還元という点において重要なのは認めるが、進んでやる気にはなれない。卒論執筆時も作業の進捗が思うようにいかなかったので散々先輩に迷惑をかけた。一方で、集合・位相入門の勉強は楽しさ6割・面倒くささ4割といった具合だ。研究には全く関係のない勉強だが、数学は新しい概念に触れて想像力が広がる瞬間がたまらなく嬉しい。だが、証明は追うのが面倒になって勉強自体を放り出すこともしばしばだ。そういう時は一息ついて15分後くらいに再開するとうまくいく場合が多い。何はともあれ、計画通りに事を進められるよう努力したい。最も私は、今この瞬間・自分の興味関心のあることしか取り組めない性格を自覚しているので、それが難しいのは嫌でも知っている。